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AG5研究レポート研究報告

オンライン公開授業

オンライン公開授業

INDEX

1.サンホセ日本人学校とアグアスカリエンテス日本人学校のオンライン公開授業(2020)

内 容:小学校5年生 社会科「これからの食料生産とわたしたち」

食料生産に従事している人々の工夫や努力を知ることを通して、我が国の食料問題について関心をもち、解決策を提案する。

 

授業者:T1:宮本 豪(サンホセ日本人学校) 

T2:阿部 邦広(アグアスカリエンテス日本人学校)

 

授業の流れ・みどころ

自宅におけるオンライン授業期間に実施した合同授業。本単元において取り組んだ手立てについて紹介します。

児童が主体的に取り組み、対話を通して考えを深めていく過程をご覧ください。

 

アドバイザーコメント
     

岸磨貴子先生

明治大学

AG5研究チーム

サンホセ日本人学校の実践には参考になる点が多くありますが、中でも特徴的なのが、自由と遊び心のある学習活動が展開されているところです。

子どもたちの様子をみると、考えること、学ぶこと、挑戦することを楽しんでいるかがよくわかります。

計画と即興のバランスのよい授業デザインになっています。

このような授業をデザインする上で、教師は、多様な手立てを常に準備して、子どもたちの状況をみながら、どの手立てを、どのタイミングで出すかなど、工夫しながら実践しています。

宮本先生の報告にもあったように、ロイロノートを活用した子どもの考える活動の支援、子どもたちが自分たちで授業をつくっていける支援のためのファシリテータカード、子どもが自分の役割から発言、参加を促す6つの帽子思考法など様々な手立てを、子どもの「やりたい、やってみたい、できるようになりたい」の情動的な発達を支援しながら、同時にそれができる環境を作っています。

教師は子どもの実態を見据えて教科のねらいに向けて細やかに授業を計画しますが、同時に、子どもたちが自ら選択、判断、実行できる自由を常に確保し、子どもの声や動き、反応から、創造的に授業を展開しています。

 

授業後

授業者

  • ・新たな手立ては、失敗→修正を経て少しずつ有効な手立てとなっていきました。「使いこなす」ために研修を重ねることの大切さを実感できました。

  • ・単元を通して、児童が段々積極的に発言するようになり、教員がいない状況で対話を深めていけるようになったことに手応えを感じました。

参観者

  • ・児童の慣れによって活用しやすくなると思う。継続することで児童が手順を理解し、さらに学習しやすくなる。(校外参観者)

  • ・ファシリテーターを決めることで児童同士の対話が活発になっていた。(校外参観者)

  • ・それぞれが別の資料を読み解き,共有することで学びの意欲や積極性が引き出されると思った。(校外参観者)

    など

  • 振り返り 5年生 社会科

2.アグアスカリエンテス日本人学校とサンホセ日本人学校のオンライン公開授業(2021)

内 容:中学校第2学年 国語「立場を尊重して話し合おう」

 

授業者:T1:田原 慶人(アグアスカリエンテス日本人学校)

T2:上野 健太(サンホセ日本人学校)

     

説明動画

指導案PDF

中学部 第2学年 指導案

 

授業の流れ・みどころ

全5時間を設定し、その内4時間は、直接合同授業を実施した。授業形態は、アグアス校は、在宅によるオンラインでの参加、サンホセ校は、登校して教室にスピーカー兼マイクを設置して授業に参加した。

  • ① 「話合い学習」に関する事前調査
  • ② T1とT2の討論やノート、討論メモを見せ、良いところを探させる。
  • ③ 話合いのテーマ「救急車の利用を有料にすべきである」を知らせる。
  • ④ 「救急車の利用を有料にすべきである」というテーマについて、ビデオを見たり、自分で調べたりして、情報を集める。
  • ⑤ 賛成・反対の立場を決め、考えをまとめる。
  • ⑥ 司会1名、賛成、反対に分かれて討論する。
  • ⑦ 討論の様子のビデオを基に振り返りを行う。

生徒たちが主体的に異なる立場の人の考えを予想しながら、それに対する答えをまとめている過程をご覧ください。

 

アドバイザーコメント
     

岸磨貴子先生

明治大学

AG5研究チーム

アグアスカリエンテス日本人学校は、生徒によるルーブリックの作成について報告されています。

教師と生徒が「何をもってできたとするのか」というイメージおよび評価の観点と基準を、対話を通してつくっているところが大変興味深いです。

報告で紹介された事例は、討論のためのルーブリックです。討論のイメージを共有するために、教師らがまず討論の様子を生徒たちにみせます。

その後、それを事例として「何が良い討論なのか、何ができたらいいのか」について対話を通して観点と基準を作っていきます。

オンライン上で付箋紙を書き出して情報共有できるJamboardを使って意見を出し合う様子や、生徒自身が討論の準備をしている様子が映像で紹介されていました。

オンラインでいかに意見交換をするのか、資料を収集するのか、話し合いをするのかなど、討論の準備を進める上での工夫について参考になる報告でした。

 

授業後

授業者

  • ・単元のはじめに、T1とT2による討論のモデルを示すことにより、「互いの立場や考えを 尊重することの大切さ」を実感させることができた。

    ・生徒たちには、学習(討論)のゴールが、「自分の考えの幅を広げる」点であることを常に意識させることで、同じ立場・違う立場の発言に耳を傾け、共通点・相違点・論点を踏 まえながら話すことができるように指導できた。

    参観者

  • ・指導者がしゃべり過ぎず、生徒たちに自分たちの考えをまとめる時間を十分確保していた点が良かった。

  • ・指導者の声の大きさ、間の取り方など絶妙で、「主体的・対話的で深い学び」の授業モデルを見させてもらった。

3.サンホセ日本人学校とアグアスカリエンテス日本人学校のオンライン公開授業(2021)

内 容:小学校6年生 道徳「友達とは」B 友情・信頼

いつもは目立たない北山が友達から賞賛されたことを快く思えない「ぼく」の姿を通して、友達とはどんな存在なのかについて考えさせ、真の友情を育て、互いを尊重し合う健全な友達関係を築こうとする心情を育てる。

 

授業者:T1:下重 卓也(サンホセ日本人学校) 

T2:内海 優奈(アグアスカリエンテス日本人学校)

 

授業の流れ・みどころ
  • ① 独自のシンキングツール「モグラチャート

  • 「問い→対話→問い→対話→…」のサイクルを繰り返しながら主題について深めていく

  • ② Googleドキュメントシートによる授業のまとめ

  • 遠隔授業であっても互いの意見を可視化できる

  • 「良い話の聞き方」ルーブリック

  • 自分の考えを深めるための聞き方について,共通の理解をもつことができる

児童が主体的に取り組み、対話を通して考えを深めていく過程をご覧ください。

 

アドバイザーコメント
     

岸磨貴子先生

明治大学

AG5研究チーム

本報告では、対話的な授業デザインについて、具体的な方法がいくつか紹介されていました。そのうちの一つ、授業者である下重先生が紹介されていた「モグラチャート」を取り上げて見ていきましょう。

「モグラチャート」は、サンホセ日本人学校が独自で開発した掘れば掘るほど考えが深まっていくことをイメージした子どもの思考活動を支援するツール(思考ツール)です。

実際の授業の様子からも、子どもの多様な考えがどんどん引き出されていること、多様な考えが出てくるがいずれも授業のねらいからはずれずに協働的に深めて行っている様子を確認できます。

教師は児童の意見をモグラチャートに書き込み可視化していきます。教師のわざとして特徴的なのが、教師が、児童の意見が他の意見とどう関連しているのか考えながらモグラチャートを「創っている」点です。

児童の言いたいことをよく聞き、他の意見と関連づけ、授業のねらいを深めるためどこをハイライトしていくのか、どの言葉で深める(掘る)のかを即興的に判断しながら、もぐらチャートを完成させているところにとても関心を持ちました。

 

授業後

授業者

  • 遠隔合同授業は1学期から進めていました。初めの頃は、進んで考えを伝えることは得意ではなかった児童達です。見どころにも示した手立てが有効な手立てとなり、本時では児童全員がみんなと考えてみたい問いを出しながら、主題に迫る話し合いを進めることができました。また、自分の声が届き、相手の声もきちんと聞こえるようにICT機器を整えることも、児童が安心して話し合いができる環境設定につながっています。

参観者

  • ・全員が問いを立てていることに驚きました。主体的に学びが深まっていく様子を文字通り見ることができたと思います。(校外参観者)

  • ・対面で話合いをしながら交流するときは、1つの画面に全体が映るより個人個人を映した方が、表情を読み取ったり近くで話し合ったりしているような雰囲気が作れると思いました。内容によってICTを使い分けることが大切だと思いました。(校外参観者)

  • ・モグラチャートのような手立てがあること、これが子ども達の対話的な学びに大きく貢献していたと思う。校外参観者)

    など

4.リオデジャネイロ日本人学校とサンパウロ日本人学校のオンライン公開授業(2021)

内 容:小学校4年生、5年生 総合的な学習の時間

「ブラジルを好きになる、もっと好きになる」〜ブラジルのよさをみんなに伝えよう〜

サンバについて、【踊り】【衣装】【楽器】のグループに分かれ、調べて中間発表したふりかえりをもとに、より良い発表にする工夫について話し合う

 

授業者:T1:渡邉 篤(リオデジャネイロ日本人学校)

T2:金古和美(サンパウロ日本人学校)、藤澤義栄(リオデジャネイロ日本人学校)

 

授業の流れ・みどころ
  • ①全体での授業の目標、流れの確認
  • 前時の中間発表のふりかえりをまとめたワークシートと本時の目標と授業の流れを書いたワークシートで、児童が主体的に活動できる準備をする。

  • ②ブレークアウトルームで、グループごとの発表の改善についての話し合い
  • 児童が主体的に課題について話し合い、教師は適切なアドバイスをする。

  • ③遠隔で伝えるために、ICTの特性を活かして、相手にどう伝えるかを考える
  • 他の児童の意見を参考にしながら、発表を聞く人の立場になって、どのように伝えるか、どのように伝わるかを考えて、発表の内容や方法を工夫する。

 

アドバイザーコメント
     

岸磨貴子先生

明治大学

AG5研究チーム

本報告では、総合的な学習の時間において、ブラジルの2つの日本人学校が、自分たちが住む地域について知り、それを発表するという取り組みが紹介されています。

遠隔合同授業における発表型の授業で、両校の先生方がどのような工夫をして授業を行っていたのか、また、発表型の授業においてどのような課題があったのかについて、授業者からの報告がありました。

中でも、重要な視点のひとつは「オンラインでの発表型授業では相手の立場をイメージしながら伝えることが重要」という点です。同じ物理的空間に身を置いて発表する場合は、非言語(身振り、目線、持ち物など)など、いわゆる、社会的手がかりを共有することができます。

これらの非言語は人に何かを伝える時に重要な役割を担いますが、オンラインでの発表では、社会的手がかりが制限されるため、言語で明確に相手に伝える必要があります。

そこで、教師は生徒らと共に、相手にわかりやすく伝えるように話すこと、伝える相手にきちんと情報を伝えるために名前を呼び合うこと、ネットワーク接続などで聞きづらくないかなど相手に確認してから話かけることなど、伝える相手のことを考えて、発表をしている様子を授業の映像から確認することができました。

 

授業後

授業者

  • 子どもたちが興味をもっているブラジル文化の「サンバ」について、両校の児童が、【踊り】【衣装】【楽器】の3つのグループに分かれて調べ、まとめ、発表する活動に取り組みました。リオのカーニバル、サンパウロのカーニバルはとても有名です。インターネットで調べるだけでなく、ブラジル出身の先生からサンバの歴史についての話を聞いたり、サンバダンサーの方に踊りを教えてもらったりもしました。

    サンパウロ日本人学校との遠隔授業は、この単元の前にも数回行い、両校の子どもたちが親しくなり、話し合いがやりやすかったようです。遠隔で調べたことをまとめ、発表することの難しさと楽しさを子どもたちは感じていました。

  •  

参観者 (抜粋:校外参観者より)

・児童がICT機器の特性をよく理解してよりよい発表に向けた手立てを考えていました。

  • ・子どもたちから相手校の児童に話しかけて授業を進めており、遠隔でも子どもたち同士の交流が活発に行われているのがわかりました。どちらの児童にとっても、友達の意見を聞くことや自分の意見を伝えるよい経験になるのではないかと感じました。

  • ・児童の発言の中に、「通信環境の理由で聞き取りにくかった」とあったので、よりよい通信環境の構築が課題であると思います。

  • ・どのグループも先生のアドバイスが適切に行われていました。

  • ・お互い同じ学校の児童のような印象をうけました。安心して話し合いができているのだと思います。

5.サンパウロ日本人学校とリオデジャネイロ日本人学校のオンライン公開授業(2021)

内 容:中学校1年生・2年生 総合的な学習の時間 

「ブラジルと日本の架け橋になろう」

 

授業者:竹治 義規(サンパウロ日本人学校)

松平 豊、吉村 正浩(リオデジャネイロ日本人学校)

 

授業の流れ・みどころ
  • ①本時の課題を提示し、発表する側、聞く側の心構えを伝える。
  • ②3つのテーマ(人、食もの)に沿って、個人での発表会を行う。
  • 教師は司会役として、発表のサポート及びICT機器操作のサポートをする。

  • ③感想をワークシートに記入する。
  • ブラジルのことについて、「新たに学んだこと」「深く知ることができたこと」という2点に絞り、感想を書く。

  • ④感想を発表する。
  • 新たな発見や共感した内容などを拾い上げ、フィードバックさせ、理解を深めさせる。

  • ⑤ ②~④を繰り返して行う。

 

アドバイザーコメント
     

岸磨貴子先生

明治大学

AG5研究チーム

本報告では、総合的な学習における「ブラジルと日本の架け橋になろう」の3か月にわたる実践について紹介されています。

日本人学校の強みのひとつは、世界と日本をつなげることができる立場にあるということです。この実践を通して、生徒らは、ブラジルのイメージを変化させていたこと、ブラジルの魅力を発見していったこと、そしてその成果を日本に向けて発表したことが報告されました。

ブラジルのことを知らない人に「伝える」ために、どんな工夫があったのか、どうすればその「魅力」を伝えることができるのか、など生徒の工夫についても知りたいと思いました。

特に、本報告で興味をもったことは、生徒が調べたテーマに「移民が伝えた食文化」が含まれていたことです。ブラジルと日本には歴史的なつながりがあり、ブラジルについて知るだけではなく、ブラジルと日本の関わりを見つけて調査したことも、本実践の特徴の一つだと思いました。

 

授業後

中学校部会実践まとめ

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